大会テーマ「東アジア平和創造の道筋」
2009年 11 月 28 日(土)29 日(日)
会場:立命館大学衣笠キャンパス
開催趣旨
東アジアの暴力/平和はもちろんグローバルな暴力/平和と切り離されて存在するものではないが、われわれ日本の市民・平和研究者はこの地域の暴力の克服/平和創造への大きな責任を負っている。われわれが克服すべき東アジアの暴力はとりわけ次のようなかたちで存在しているであろう。1)冷戦構造の残存(朝鮮戦争はまだ停戦状態であり終結していない)、2)核兵器の対峙、3)駐留米軍をはじめとする軍隊・基地がもたらす暴力、4)大日本帝国のミリタリズムの未克服、アジア太平洋戦争・冷戦の被害の未修復、5)家父長制的暴力、6)新自由主義経済のもたらす暴力等々である。本研究集会では、これらの諸課題を俯瞰し、その克服の方法を探ったうえで(部会II)、とりわけ、軍隊の暴力・家父長制的暴力の克服の追求(部会 I )、被害の修復をめざす新しいアプローチの探求(部会III)、そして日本のミリタリズム──ミリタリズムの支柱としてのヤスクニ──の克服(部会IV)等の課題に取り組みたいと思う。その際、米国と日本の政権交代がどう影響するかは大きな論点であろう。政権交代によって、東アジアの政治・外交が対決から緊張緩和へ向かう可能性があり、また日米関係が変化する可能性がある。これらの要素を視野に入れつつ、東アジア平和創造の道筋を探りたい。
11月28日(土)
9:30〜12:00
午前の部
部会 I
「ジェンダーの視点から東アジアの平和を構想する」(研心館641教室)
報告:山下英愛(立命館大)
「東アジアの家父長的ナショナリズムと”慰安婦問題”」
報告:ロニー・アレキサンダー(神戸大)
「軍事化・生政治に対面する女たち ―アジア太平洋地域の反戦・平和運動から―」
報告:秋林こずえ(立命館大)
「「東アジア」における国境を越えた女性平和運動 ―脱軍事化と家父長制」(仮)
討論・司会:清末愛砂(島根大)
自由論題部会 I(研心館631教室)
報告:高松香奈(東京大)
「脆弱国家」支援と「人間の安全保障」─ミャンマー(ビルマ)の強制された移動者の語りから」
報告:大庭弘継(九州大・院生)
「グローバルな責任の「原理」ー意図せざる結果と「国際共同体」の生成」
司会:池田丈佑(立命館大学)
討論:餐場和彦(徳島大学)
9:30〜18:10
休憩室(研心館642教室)
12:00〜12:30
昼食
12:30〜14:30
14:40〜15:10
総会(研心館641教室)
15:20〜18:10
午後の部
部会 II
ラウンドテーブル
「東アジアの平和をどのようにつくるか」(研心館641教室)
パネリスト:
武者小路公秀(大阪経済法科大アジア太平洋研究センター)
内海愛子(恵泉女学園大)
林伯耀(中華海外聯誼会)
清水耕介(龍谷大)
曺美樹(国際交流NGOピースボート)
司会:村井吉敬(早稲田大)
18:30〜
懇親会(諒友館食堂)
11月29日(日)
9:30〜12:00
午前の部
部会 III
「修復的正義と平和構築」(敬学館250教室)
報告:宿谷晃弘(東京学芸大)
「修復的正義の理論的基礎とその射程範囲」
報告:片野淳彦(札幌大)
「修復としての平和 ─修復的正義の思想と平和構築への適用」
報告:李在永(韓国アナバプティスト・センター)
「修復的正義 ─韓国における実践、東アジア歴史認識対立への示唆」
通訳:奥本京子(大阪女学院大)
討論:安成訓(明治大)
司会:君島東彦(立命館大)
自由論題部会 II(敬学館230教室)
報告:木下直子(九州大・院生)
「1970年代日本のノンフィクション-テクストにおける「慰安婦」表象」
報告:一政祐行(日本国際問題研究所軍縮・不拡散促進センター)
「『核兵器の無い世界』に向けた国際規範の形成要件に関する一考察」
討論:内海愛子(恵泉女学園大)
討論:佐渡紀子(広島修道大)
司会:佐々木寛(新潟国際情報大)
9:30~17:30
休憩室(敬学館258、259教室)
12:00~12:30
昼食
12:30~12:30
14:40~17:30
午後の部
部会 IV
「ヤスクニ問題の新しい地平」(敬学館250教室)
報告:辻子実(日本キリスト教協議会靖国神社問題委員会)
「国立追悼施設論議をめぐって ─侵略神社「靖国」との関連で」
報告:康由美(弁護士)
「大阪靖国訴訟の意義と問題」
報告:石原昌家(沖縄国際大)
「集団死と沖縄靖国訴訟」
報告:木戸衛一(大阪大)
「ドイツの過去清算から見た靖国」
司会:徐勝(立命館大)
討論:内田雅敏(弁護士)
討論:(調整中)