2014年に発足した平和教育プロジェクト委員会は、学会開催時にワークショップにて”平和の問題について語り交わす場の提供”を行っています。
平和教育プロジェクト委員会の4期8年間のまとめである書籍『平和創造のための新たな平和教育――平和学アプローチによる理論と実践』が2021年12月に出版されました。
法律文化社チラシより(一般書店にお持ち頂くことができるチラシです)
真に平和創造に直結する新たな平和教育の理論と実践を考察した論考集。平和学アプローチに基づいて「平和」の概念を幅広く捉え、戦争だけでなく様々な暴力をなくしていくための実践力と平和を生み出すための想像力と創造力を養うための視座と作法を提示する。すぐに始められる平和教育の実践例も所収。
2014年から2020年まで行われたワークショップを、授業で使いやすいようにまとめた冊子(2020年1月作成)
「グローバル教育・平和教育・人権教育に向けて ~自己表現、コミュニケーション力を考えながら~ つかえる!ワークショップガイド」
の該当ページがダウンロードできるようになっています。ぜひ、これらを参考に、授業やワークショップを行っていただければ幸いです。
*このワークショップの意味
平和な社会を築く Active citizen になるために、自らの、そして他者の被害者性に気づき、「シカト力」を打ち破り、民主主義のベースである「やり⇔とり力」を身につける
やり⇔とり力を育てる意味=やり⇔とり力は民主主義社会における基礎となる力であると考えるため
*このワークショップの意味
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、私たちが原発問題についての当事者として立たざるを得ない 現実を再認識することになりました。にもかかわらず教育現場で、そのことを考える機会をつくることは難しく、関連する報道も少なくなってきています。様々な問題が、人々が、置き去りにされて、不可視化されているのではないでしょうか。
このワークショップは、「当事者性」をテーマとして、いくつかのキーワードから福島で起きているこ とに、今の自分はどんな当事者かを考え、表現し、語り交わす機会を作るための、体を使ったワークです。
*このワークショップの意味
2022 年から、高校の教育課程で、「現代社会」に代わる科目として、「公共」が必修科目として新設されます。このワークは、公として必要なもの、そして、富の再分配をという2つの角度から、平和で持続的な共生社会を、お金という単位を使いながら考えられるように作られた、中学〜大学まで授業で使うことができるワークです。「公共」の授業でつかうことを意識して、教材をパ ッケージ化してあります。
*このワークショップの意味
やり⇔とり力を育てる意味
「やりとり」とは、自分の考えや感情を表し(「やり」)、相手の言葉を受け止め(「とり」)、そし て返すことです。表現する力、受け止める力、返す力。まさに「やり⇔とり」をする力は、不必要 なコンフリクトを起こさず、平和を創る基盤となり、その力は個人間のみならず、集団、国家間の 「やり⇔とり」=外交にも必要な力です。
平和教育プロジェクト委員会では、「平和を壊す問題に敏感になり、社会の主役としてそれを考え、語り交わし、行動するActive Citizenを育て、Active Citizen養成に関わる平和教育の人の輪を広げてゆく」ことを22期の重要なミッションとして認識している。
特に、ポスト真実の時代とも呼ばれる現在においては、デマや扇動に流され暴力への加担をせず、排外的行動、憎悪表現・煽動に抗し、上辺ではない共生社会を構築してゆくActive Citizenを増やしてゆく必要性は非常に高い。そして、Active Citizenになるための必須のスキルが、平和のためのリテラシー力である。
平和のためのリテラシー力が必須である反面、情報通信技術の発達により、ある意味、誰もが非常にお手軽に、暴力の扇動者になりうる時代に私たちは生きている。例えば、ネットユーザーのほとんどがSNSなどを通じて、報道の配信システムに組み入れられている現在のメディア空間においては、誰もが「いいね」を押す、一言コメントとともに「シェアする」などの方法で....
*このワークショップの意味
植民地支配の中の、支配/被支配の構造と暴力、様々な立場の不満、悲しみ、要求を感じ、その先にある平和的な共生を考える。第 1 パートでは、植民地支配を想像し、感じ、考えるために、様々な実際の植民地支配や先住民への抑圧の要素を入れ込んだ架空のストーリーを作りアニメーションを制作した。そのアニメを視聴し、それぞれの立場を演じるロールプレイを行う。自分の役柄の立場としての、不満や不安、要求をサークルプロセスを使ってつぶやき合い、共有する。架空のストーリーを使用することで、参加者に、植民地についての知識量や理解などに差があっても意見が述べやすいようにした。第 2 パートは、第 1 パートで共有されたつぶやきから見えてきた要求を実現するために、2016 年 12 月に国連で採択された「平和への権利」にどんな条文を書き加えるかを考える。
*このワークショップの意味
近年、排外主義、人種主義の復活は、世界的な潮流と言ってもよく、日本もその例外ではありません。近年日本社会においては、在日コリアンをはじめとする、過去の日本の植民地支配とつながる属 性を持つ人々に対する憎悪表現・扇動(ヘイトスピーチ)は大きな問題となっています。レイシズムを 乗り越えるための教育は、基本的に一回で完結するようなものではありません。そして、何かを禁止 さえすれば良いものでもありません。
このプログラムは、レイシズムを乗り越えるための教育の導入として使っていただく複数のワーク のパッケージです。
*このワークショップの意味
平和構築とはなんでしょうか。なんとなく、武力紛争が起きている外国に専門家が行って行うようなイ メージがあるかもしれません。しかし、本来平和構築とは、様々な社会に属するメンバー全てが、「私と他 者」「私たちと他者」という関係性において、暮らしたい社会を思い描き、語り交わし、合意し作ってゆく、 社会を構築してゆく作業そのものであるはずです。
Active Citizen 養成講座は、2016 年から、選挙権年齢が 18 歳になったことも踏まえ、有権者教育に留 まらない、主権者としての市民一人一人が、やりとり(対話)を通じて、暮らしたい社会を描いてゆくワー クです。
*このワークショップの意味
学校や市民団体が、平和を学ぶフィールドスタディを企画・実施することはよくあります。多く のプログラムは、「プログラムへの参加者が学ぶ」ことを主眼としています。それは、大事なこと ですし、意味も大いになることなのですが、受益者はプログラムへの参加者であり、フィールドにいる現地の人は説明したり教えたりするリソースとしての役割のみを担うというやや一方通行の関 係性のプログラムになりがちです。
このプログラムは、一方通行になりがちなフィールドスタディを、地元の人と一緒に「やりと り」しながら計画してゆくこと自体を、プログラムとしています。
場所は、このプログラムを提供した時に、学会の開催場所であった沖縄を例としていますが、どん な場所でも応用可能なプログラムです。
このプログラムは、実際に、平和をつくる活動をしている、沖縄の人たちに参加してもらい、参 加者が交流しながら、「ヤマト」の平和教育と「オキナワ」の平和教育の出会いの場として、「オキナワで平和を考えるのであれば、どこにいき、誰と話し、どのように過ごす」のか、「平和教育のプログラムを計画」するプログラムです。
*このワークショップの意味
このワークショップの意味:「平和教育」や被ばく体験の継承をめぐる過渡期ともいわれる現在の広島 において、「ヒロシマ」をめぐるさまざまな課題の顕現に取り組む。地域性、期待の温度差、世代間の 理解・知識の差、広島の内と外の差、教育現場におけるジレンマ、学校と行政の協力・せめぎ合いな どの<コンフリクト>すなわち、葛藤・対立・紛争をテーマとし、積極的に扱う。また、ワークショ ップの時空間を通して、平和を創造しようとする個人・団体どうしの交流を推進し、地元の教師・活 動家・市民の声や思いを共有し、相互にケアできる場にする。
学校・教室において、また社会運動の現場において、われわれは常に平和的な関係性を模索するものの、ともすれば支配的・独善的になったり、あるいは情報の伝達のみに終始してしまったりします。 われわれの日々の営みにおいて、豊かで相互に助け合う関係性が如何に可能になるのか、「現場」を意識しながら共に考える機会を設定します。
*用いる手法
紛争解決や非暴力的なコミュニケーションの分野でよく活用されているメソッドいろいろ。現場でのさまざまな場面に役立つノウハウや、態度養成につながるはずと想定しましました。
日本平和学会において、初めて設置された当委員会の第1回目の会合はワークショップ形式で行われた。委員会メンバーに限らず、学会員に広く開き、合計28名の参加者を得ることができた。
1.21期 平和教育プロジェクト委員会の経緯について簡単な説明がなされ、今後の方向性についての合意を形成するためにアイデアをだしあった。
2.次に、それぞれのワークショップへの参加、また企画運営に関する経験について(どのようであったか)を...(もっと読む)
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